XX(エクスクロス)魔境伝説

原作を読んでいないので、原作の話はできない。
それを前提に話を進めていく。


以下はネタバレ


公開前なので、内容は控え目に。


一言でどんな話かと言えば、トレイラーにもあるように
「足を切り落とされるぞ」
である。*1
つまり、ホラー系である。
ホラー物特有であるのだろうが、BGMなしで急に響くような効果音を序盤からやることで怖くさせている。
ホラーとしてはきちんとしているのではないか?
また、ただ怖いだけではない。小沢真珠のトリッキーな役や、鈴木亜美の豹変はこの映画に変化を与えている。
ハッピーエンドであるが、ホラー映画としてかかせないものもあり、いいと思う。


一つ気になったのは、このタイトルのXXはケータイの交わりを表していて、書籍版ではそれが評価されたというが、映画ではあまりそれを感じなかった。
たしかに、携帯電話は映画のキーアイテムである。
しかし、映画だからなのか、ストーリーのホラー感やアクションの迫力に潰されてしまっていて、携帯電話の重要性が少し損なってしまった感がある。
そこだけが惜しい。

キャストは妥当であろう。
ヒロインの松下奈緒は穏和というよりは恐怖にギャーギャー脅える典型的なホラー映画のヒロインであったが、真面目で人を信用しやすい役を演じきっていたと思う。
鈴木亜美の演技はうまいとはいえないが、豹変後は迫力があったし、もともとが何人もの男と付き合ってきた女の役なので悪くはない。
小沢真珠はトリッキーな役に適任ではないのか・・・そう思えるほど上手かった。
池内博之は物語のキーパーソンであり、演じるのは一番上手かったと思う。
しょこたんはかわいかったw


自分はホラー系だと知ったとき、全く期待しなかった。
というのも、ホラーは「学校の怪談シリーズ」以来であり、あまりいい思い出ではないからである。
しかし、「学校の怪談」程怖くはなかったし、かなり楽しかった。アクション映画のスリルに近いものを得た。
だから、この映画はホラー好き向けというよりも、万人受けするような映画であり、映画としてのエンターテイメント性を楽しめる作品ではないのだろうか?
全く期待していなかった自分のように、期待していない人にはかなりオススメである。

*1:ちなみに声の主は声優に詳しい人にはわかるだろうが、小山力也。24吹き替え版のジャック・バウアー役の人と言えばわかるだろう。